護符と一口にいっても色んな種類がありますよね。
ここでは、護符について一般的なものを紹介しつつ「本物」とはどういうものなのか、世界を見渡して説明したいと思います。
※効能からの種類が知りたい方はコチラをご覧ください。
いくつかの種類がある本物の護符
護符という考え方は古今東西に同じようなものがあり、それは東洋だけでなく西洋にも根付いているものです。以下はメジャーな西洋護符になります。
タリスマン
西洋の護符というと、関連してタリスマンという用語を耳にしたことがあると思います。タリスマンは、西洋において、保護、治癒、あるいは他者に対する影響を意図して作られた宗教的、または魔法的な力を内包したオブジェクトです。
タリスマンは歴史を通じて多くの文化で使用されており、占星術、科学、宗教的な慣習と深い関係があります。通常は、金属のメダルなようなものに字や文様を彫り込み、身につけるケースが多いです(これは欧米では紙が貴重であったため)。現代では紙の護符も広く認知されています。
ソロモンの護符
タリスマンに使われるモチーフとして中でも著名なのがソロモンの護符です。ソロモンとはイスラエルの王の名称です。彼は神話の時代の権力者で、伝説によると様々な魔術を駆使し悪魔を使役したという話があります。ソロモンの護符は、それらの手法をまとめたソロモンの鍵とよばれる魔法書に記載されたモチーフを主に使っています。
バックボーンとしては一神教以前のアニミズムや多神教をベースとしたものです。それらは長らく一部の人々にしか伝わっていませんでしたが、17世紀から19世紀に広く民間に伝わり、お守り的に扱われていました。
これらソロモンの護符やタリスマンは、見ての通り何か特別な力をもっていそうですよね。
有名なものでいうと、月の護符や、金星護符や木星護符というのがあります。これは西洋占星術にもつながるもので、大まかにいえば月であれば内面や潜在能力、金星は愛と美、木星は幸運を助力します。ただ、日本ではこれらのバックボーンを正しく理解して、西洋系の護符を作ることが出来る人や場所というのは、希少ではないかと思っています。
東洋系の護符について
続いて、東洋系の護符について解説します。
メジャーなものは、神道、そして道教のものですよね。
道教の護符
道教は、おもに中国を中心に発展した中国三大宗教の一つです。ブッダを出自とする仏教、孔子を発祥とする儒教と違って、土着の民間信仰から発展したものになります。現在では、大陸本土の中国では政権の宗教に対する方針もあり、表立ったものはなくなっていますが、台湾などでは根強く残っています。道教の護符は、黄色い紙を使ったものが多いのが、パッと見の特徴です。ベースの考え方には陰陽五行があり、それは日本人にも馴染みのある思想です。
陰陽道と神道、及び仏教の護符
続いて、神道や陰陽道についての話をします。同ブログで主に扱うもの、またも日本人に馴染みのある護符が、この陰陽道のものや、神道のものになると思います。
陰陽道の霊符/護符
陰陽道の護符は、その言葉のとおり陰陽五行をベースにしています。この陰陽五行というのは道教と源流を同じくするものです。陰陽道の護符は、中国由来の宗教や思想的な考え方が、日本的な神道や仏教といった価値観とミックスされ、最適化されたことで生み出されたものになります。
そのため、もっとも日本人に馴染みある護符の一つとなっています。
神道及び仏教の護符
さらに、日本に根付いたものが、神道の護符になります。これはもう、皆さんご存知のとおり、日本の神社仏閣で手に入れることができる、御札でありお守りですね。その意匠は、由来となっている神社仏閣の歴史に依存し、それぞれ特徴が反映されたものになります。
主なものでいうと、例えば不動明王や角大師、刀印護符などが有名です。
概ね、東洋西洋においては、以上なようなものが人気と知名度のあるものだと思います。
東西における護符のしくみについて
東洋系の護符は、大きく仏様や神様に由来するものと、自然信仰をベースにした思想に由来するものに別れています。例えば不動明王のものは、仏教やインドを由来とした神様を象徴する梵字モチーフで、これらは神がかった存在の力を流用するものです。対して、道教や陰陽道は陰陽五行という自然思想に基づいています。
陰陽五行というのは、漢方などにも使われる物事の思想体系で、木火土金水という5つの性質のバランスを最も大事にするものです。つまり、ある性質を強めたければ、その性質に関連したモチーフを護符に起こして利用するのです。例えば、火が必要なら火を、水が必要なら水を増やす、バランスを変える等の考え方によって作られるものです。
日本に根づいている護符というのは、概ねこの神仏の力を利用するものと、自然の性質のバランスを動かすものに分かれています。
対して、西洋は占星術や数秘術といった思想体系をベースにその効果を発揮させます。ソロモンの護符であれば、占星術の天体をモチーフとした意匠をつかうことによって、その効果を引き出すように作られています。あるいはソロモン王のように、悪魔(キリスト教以前はアニミズム的神様)をモチーフにしたもので力を引き出しています。なお、キリスト教等の一神教においてもタリスマンがありますが、あまりメジャーではない理由は、信仰の対象が、神様ではなくモノに分散することを禁忌としているからです。
そのため、西洋における多くの護符とよばれるものは、現在の一神教主導の世界情勢では「異端」扱いされるケースがあるので注意が必要です。
何をもって本物の護符とすればいいのでしょうか?
本物の護符というのは、それを扱う人によって変わるものです。
申し上げたいのは、西洋系の護符であっても、東洋系の護符であっても、使うものや作る人が、そのバックボーンとなる思想や文化に馴染みがなければ、効果を発揮しないということです。
ですから、偽物か本物かという話でいいますと──正しい手順や歴史を知るものが作った護符であれば、それがタリスマンやソロモンの護符であっても本物になります。ですが、それを日本人が保持して効果を発揮できるかというと、疑問符が付きます。
日本人は、西洋の文化習俗に対してはあくまでも外野です。本物の護符であり、かつ正しく効果を発揮させる、ということを考えると、やはり、東洋系の陰陽道あるいは神道に則った護符が、日本人には最も適しているのです。
正しく作ったものには相応の価値がある
では、神社仏閣の護符でいいのでは? と思うかもしれません。それは半分正しく、半分間違っています。
神社仏閣に用意されている護符というのは、幅広い願いに対応するために作られた、汎用符なんですよね。多くの参拝者に対応できるように、大きな願いの枠組で書かれたものです。
あなたが、もし、一般的な願いを求めているのであれば、それでも問題ないでしょう。しかし、一般的なものほど、願いや効果はふわりとしたものになります。
願いは「願い続ける」「意識を回しつづける」ことで力を発揮します。護符というのはそれを後押しするものです。
ですから、もしあなたが、あなただけの願いを持っているのであれば、あなたのためだけに護符を書き起こすほうが、良い効果が得られるのです。
つまりは、本物でかつ、効果の強いものというと、神社等で手に入れるのではなく、やはり相応の手順と知識を持った人に書いてもらうのが良いのです。さらにいうと、あなたの名前の入ったものが一番なのです。