大将軍八神社(だいしょうぐんはちじんじゃ)というとても大仰な名前の神社は、京都市上京区の北野天満宮にほど近い場所にあります。
祭神は元々は、その名の通り大将軍(陰陽道における吉凶を司る八将神の1つ)でした。現在は素戔嗚命(すさのおのみこと)を主祭神としています。
パワースポットとしての由来
そもそもの由来は、794平安京遷都の際に王城を守護するために陰陽道の考えに基づいて、方位除けをしようとし、乾の方角の天門守護のために、八将神の1柱を用いて大将軍堂を造営したことに由来しているといいます。
その後、応仁の乱によって荒廃しましたが、後に神社として復興したのです。
そして江戸時代に八将神が人気になると、スサノオと祭神が習合して、祀られるようになった経緯があります。
そのため、この神社でいうところの大将軍とはスサノオでもあり、天津彦根命でもあるとされているとか。
つまりは、元々は陰陽道系であり、それが後に神道と融合したような流れを持っている神社なのです。
授与品について
授与品は神道のものと陰陽道のものが混じり合ったものとなっています。
例えば護符は明らかに陰陽道系の色がつよい、黄色地のものとなっていますし、いくつかは陰陽道でよく使われる方位と大将軍を組み合わせた方位盤や陰陽をモチーフとしたものになっており、非常に特別なものです。
一方で、神道由来の御守もしっかりある、というような感じになっています。
嬉しいのは概ね、どれもリーズナブルであることです。
由来の力強さを考えると、その利用しやすさは特筆すべきものがありますね。
神様の詳細
さて、八将神を祀る神社ではありますが、祭神はスサノオとなっています。ではスサノオのご利益とはなんでしょうか?
素戔嗚命は、その力強さでもって厄除けがまず第一に思い浮かびます。厄除けや水難除けのご利益は有名です。
そもそもの神社の成り立ちも都の厄除けですから、正しいものですね。
それから、利発で活発であることから、文学や学問の上達、さらに縁結びについてもご利益ああると言われていますが、やや強引な結びになるかもしれません。
またスサノオと同一視されている大将軍というのは、魔王天王とも呼ばれる大鬼神のことで、刃物に通じた荒ぶる神とされています。
陰陽道では、これを特定方位に置くことで、凶事に凶をぶつける形で厄除けとしているんですね。
スサノオは人間臭いところがありますから、人々に歩み寄る素養があるものですが、大将軍は恐ろしいものとされています。
つまり、強い厄除けを考えたときに、スサノオ以上に大将軍が効果的だ、ということなのです。
見どころ
陰陽道由来なので、普通の神社のものとはちょっと違う物があるのが面白いです。例えば大将軍神の石像などもあります。また本殿の裏にはこの神社に習合した大杉大神様や、豆吉明神といった神様も祀られています。大金神神社・歳徳神社、命婦神社・厳島神社・猿田彦神社などもあり、さまざまな神様を祀っていることがわかります。
更には境内には無骨な神代榊である神聖な木もあります。
周辺には他の神社もたくさんありますが、それらも含めて巡るのも楽しいですね。
所在地他
名称 | 大将軍八神社 |
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祭神/本尊 | 大将軍=スサノオノミコト |
特徴 | 陰陽道系の神社から、習合を経て神道系の神社になった |
住所 | 〒602-8374 京都府京都市上京区西町48 |