占星術の始まり
ホロスコープ=占星術は、天体の動きや相対的な位置を研究することで、人事や地上の出来事についての情報を得る占いの一種です。
古くは、紀元二千年前にまで遡り、ルーツは、天体の周期から季節の移り変わりを予想した、カレンダーであるとされています。
多くの文化が、農耕の発達に関連する形で、天文学的な出来事と地上との関係を重視しています。天体の動きを分析し、地上の様々な事柄を予測するのは、人々にとって必然的な試みだったと言えるでしょう。そして、長い年月を経てそれらが天文学と一緒に西ヨーロッパに広がり、季節ではなく人々の今と未来を占う占星術として発展しました。
古い時代のヨーロッパにおいて天文学と科学や気象学、医学は密接な関わりをもっており、かつての偉人たちも、その多くが占星術を学問の一ジャンルとして重用してきました。
そして現在ですが、占星術は天文学から切り離され、人々の生まれや成長に示唆やヒントを与える占いとして使われています。
多くの人は、占星術と聞いてしまうと、ちょっとオカルトめいたものを感じてしまうかも知れません。もちろん、それを行うことで超能力のように何かを明確に発見することができるものではありませんが──一方で、占星術は、長い年月の間に、人の思考や現状把握、あるいは未来予測をするための、使いやすいメソッドとして、見事なまでに発展を遂げています。
用法についての考え方
詳しい用法は専門的な書籍やサイトにおまかせしますが、理解してほしいのは、星々の運行を人の人生になぞらえることは、人という存在のあり方に、基準となる視点を与えるものである、ということです。
物事は言葉にすることで初めて定義されるものです。占星術がその仕組でもって導きだした答えは、それが正しければそのまま重用すればよいですし、ずれていれば、そのずれた部分を踏まえて解釈して実生活に活かせば良いという話しでしかありません。大切なのは、明確な基準となる視点を与えることにあります。実は、人間の行動や考えを整理するためには、それが科学的かどうかということが、あまり重要ではなく、基準となる考えを何処に持つかということが重要だったりします。これは科学的ではない、思考のみの学問として、哲学というジャンルが未だに存在することからも、良くわかります。何かを判断するために、基準となる言葉の定義が必要なのであって、科学的に厳密な視点ではないんです。
そして、時に非科学的で非合理的な行動をする人々に示唆を与えるには、この占星術というものは、とても良く出来た仕組みを持っているんです。
特徴1:個人の性質を見る
占星術は、生まれた日と場所の情報をもとに、その時の複数の天体の位置から、その人の性質を占います。
多くの性格診断がそうであるように、占星術も人の種類を幾つかに分類します。それは皆さんもご存知のとおり12星座とよばれるもので、まずベースとして、診断者の生年月日が12個に割り振られます。
さて、先に複数の天体の位置、と述べましたが、この12星座で見ているのは、実は太陽のみになります。他にも、占星術では十個以上の大小の天体の位置を見ます。水金火木土天冥海あたりがメジャーですが、それ以外にも細かく見ることもあります。
そして、太陽が表向きの基本性質とするならば、例えば水星の位置は、その人の情報やコミュニケーションとの関わり方に影響します。火星は競争や戦いを表し、そこに関連する仕事や学業、人生についての勝負事の性質を知ることが出来ます。その他の天体にもそれぞれ象徴すべき意味があり、太陽星座以外を知ることで、その人にとって示唆となるような性質を導き出すことが出来るのです。
特徴2:相性を見る
個人の性質を導き出した後は、その二つの性質の相性を比較することが出来ます。これは、単純に導き出された診断結果から、性格の相性を知る、というのもありますが、たとえば個々人二人分の占星術のチャートを重ね合わせることで、自分と相手の星々の関係を見ることで、相性を予測することも可能です。この時、天体と天体の位置関係──角度が重要な意味を持ちます。0度であれば、性質は重なり180度の位置にあれば衝突する、といったシンプルな話です。これを天体ごとに細かく見てゆくことで、自分と相手の性質を判断することができるのです。
特徴3:未来について
占星術の一番の特徴は、時間──正確にある特定の日付や日時を踏まえた診断ができることです。天体は、日時によって位置がかわります。あなたが生まれた時の天体の位置は無二のものですが、それは1日後には既に動いて意味を変えているのです。ということは、生まれた日と今日という日の異なるチャートを比較することで、あなたと、今日の日の相性から今日の運勢を見ることが出来るのです。また、占星術にはプログレスという考え方があります。これはあなたの生年月日の天体を、未来に向けて時間にそって動かすことで、あなたの将来の変化を予測するものです。こちらは、相性ではなく、未来診断的に、あなたの変化を占うことが出来る、とても面白い占いです。
スタンダードな占い
以上のとおり、占星術は生年月日をベースとして、スタンダードに自分のこと、相性のこと、未来のことを診断することに非常に適した占いになっています。もし占星術をつかって、自身を占ってもらえる機会があったなら、例えば他の天体はどうですか? というように尋ねると良いと思います。占い師さんはベースを太陽星座で見ます。もちろん他の天体も見ますが、時に配置を見過ごします。特に相性などの場合は、思わぬところに、ネガ・ポジの関係が隠れている場合がありますので、結果をあせらずに、じっくりとチャートを見てもらうことをオススメします。
占星術は占いの醍醐味がすべて詰まっており、占いの花形です。もし自分の占星術チャートを作って貰う機会があったなら、ぜひ作成し、様々に分析してもらってください。そこから、思わぬ自身のあり方に気づく事ができると思いますよ。