ネットで買える護符の一つとしては、京都桃源院かなえやの護符が有名ですね。
ですが、いろいろなところで効果あり/効果なしについての解説や口コミがなされているにもかかわらず、あまり詳しい話はでてこないんですよね。
ここでは、そんなかなえやさんの護符について──護符そのものの効果や意義を踏まえて、こまかな解説をしたいと思います。
護符とは?
護符とはなんでしょうか?
まず大前提として、護符というのは古来より連綿と受け継がれてきた、人々の願望を補助するツールであるということです。それは「効果/意義」があるから、受け継がれてきたものです。効果がなければとっくにすたれていたものです。
未だに、日本全国のお寺や神社で護符やお守りが販売されているのを見れば「効果がない」などということはないのです。それらは意味を知り、適切な手順を知ることで意味を持つものなのです。
では、その効果効能というのは、どのように担保されるのでしょうか?
護符の機能
護符というのは、施術者の願いを行使するための願望成就のツールですが、これは何かというと、細かくは「人の行動に認知バイアスをかけるためプログラムでありトリガー」なのです。
ちょっとむずかしい説明になってしまいましたね。
認知バイアスとは、かんたんに言うと「思い込みによる行動制限」なんですが──たとえば母親が子供に交通安全のお守りをもたせるとします。その際に母が、何も言わずに子供のかばんにこっそりお守りをくくりつけた場合と、「これは交通安全のすごいお守りだよ」と子に伝えてかばんにつけた場合では効果が変わります。
護符というのは霊験以前に、暗示ツールの側面があるんですね。
では霊力や神通力といったものは意味がないのでしょうか?いえいえそんなこともないのです。
霊能や神通力の役割
人の認知の力というのは、科学的な部分を超えた曖昧な領域に広がっています。
護符やスピリチュアルなツールや技法というものは、それ自体のツールとしての機能以上に、施術者の思いや、バックボーンとなる文化、考え方、扱い方、環境といったものの影響を受けるのです。
例えば、素人が書いた護符と有名な神社の神主さんが書いた護符では効果が違いそうですよね?それはなぜか? 人は物事の背景によって意識を変えるのです。背景にある神社という悠久の知見を併せ持つカルチャーが護符の効果を高めているのです。
先程の母親のお守りを例に取りましょう。お母さんが子供にお守りを与えるときに「これは貴方のために有名な神社でエネルギーを込めてもらった交通安全の護符です」と言った/言わない場合で効果が変わるのです。
あいまいなものに効果を持たせるために、体系化されたカルチャーが必要なのです。古来より人というのは、そういったものを扱うために、宗教を発達させ、呪術を体系化し、儀式を慣例化してきました。そうして、自分自身や、社会の目的に付与効果を与えてきたのです。
そのために、護符というのは、神道であったり陰陽道であったりといった体裁をその背景に持っているのです。
かなえやを考える
さて、前置きが長くなりました。
以上の話をふまえた上で、かなえやの護符の効果について説明したいと思います。
まずかなえやの護符は体裁として陰陽道のものとなっています。陰陽道は古来日本においては朝廷の催事や天文を請け負う一部門ですが、民間においては冠婚葬祭を請け負う神道の神主のような役割のものでした。
これは、現代においては少し意味を変えています。安倍晴明や芦屋道満の術士としての側面が物語として伝わったことから、陰陽道は一般的には神道よりも呪法的な側面が強く出た印象に変わっているんですね。
その結果、陰陽師系の護符というのは、一神道よりも反動の強い強力なツールへと印象が変化しているんですね。これは民間の印象がそうであるのですから、効果もそうである、ということです。
転じて、陰陽系の護符は、特定の願いに対して呪術的に強い効果を求める際に、意味を生じやすいものとなっています。ちょっと分かりづらいかもしれませんが、神道の護符を考えてみましょう。神道の護符は「お守り」的なもので、長期的にゆるやかに効果を発揮させることに効果があります。これはもうまさに一般社会の印象が効果をそうさせているのです。
ですから、その神道系のお守り的な護符に対して、呪術的な印象の強い陰陽道は強く願って性急に叶えることにかなった護符になっているのです。
その上で、かなえやさんの護符に込められたものについて細かに解説します。
銘入り、落款、施術者直筆、呪術的書のかなえや
神道VS陰陽道という関係は別として、そもそもかなえやさんのようなオーダーメイト護符は、神社で買うようなお守り/護符と何が違うのか?そのあたりを踏まえて解説したいと思います。
施術者直筆
まずかなえやさんの護符は、オーダーメイトですから陰陽師系の施術者直筆となっています。多くの神社のお守りが、印刷や版画であることを考えると、これは非常に贅沢なものです。
直筆というのは、印刷より当たり前にありがたくあり、念がこもるのです。そうであるという事実は護符の意味を変えます。
「誰かがあなたのためだけに書き起こしている」という事実は、神社の既製品より効力を増してくれます。
呪術的書
さらに、護符の書ですが、これは神道のオーソドックスな書術のアレンジになっています。象形文字とそこから発展した書の組み合わせなのですが、これを願いのジャンル別にしっかりとプログラムしていますから、例えば大量生産する神社のお守りなどに比べると、より願いに対してダイレクトな護符になっています。
「個別に目的に応じてプログラムされた護符」は「大量生産の護符」よりも、あなたの目的に合わせたものになっています。
落款(朱印)
さらに、落款が押されていますが、これも重要です。
落款は、背景の証明です。神社も落款を推しますが、これはどこぞこのだれそれが何を背景にもとづいて護符を作ったのか証明するものになります。これがなければ、由来のわからない護符となり、先程母親の説明で申し上げたとおり「願いは書き出した上で由来がわかる証明をつける」ことで意味や効果を増強します。
銘入り
最後に、銘入りであること。
これが実はもっともキーとなるポイントで、名前が入ることで、これは貴方のための護符なのだ、という宣言をしているのです。
この名前バイアスのある護符を得るということは、神社のそれよりも名指しで効果を向けられるということで、護符系のツールにとって非常に重要なことなのです。
以上、オーダーメイドの護符というのは、4点の機能が組み込まれた、確かな効果を意図した護符となっているのです。
これだけでも普通の護符と違うことが理解出来ると思います。
しかし、それだけではまだ効果を発揮しきれません。適切に、選んで適切に書いてもらった護符は、最後に適切に扱うことで、本当に効力を発揮するのです。
適切に扱い祀ることで意味を成す
書に起こした願いというのは正しく扱わなければ効果を半減してしまいます。
一番最初に、護符は、願いを叶えるための認知バイアスのプログラムでありトリガーであるといいました。
そのために必要なことは、特定の願いを選んだら、それを願いつづける=意識を回し続ける、という行為が必要になってくるのです。
つまり──例えばある人が会社の成功を願っているのであれば、あなたは常日頃から会社の成功を考え続けなければなりません。そのために、会社の成功を願った護符を、あなが日々意識のまわすことができる場所に配置する必要があるのです。
それは、居間の神棚かもしれませんし、部屋の目につく位置かもしれません。或いは人によっては持ち歩くかもしれません。何らかの意識付けができる護符の持ち方をして日々ふれることが、願いを叶えるためのトリガーになるのです。
子供や車のお守りも、目につくところにつけられます。それは安全に意識を回すためにあるものです。
それと同じ用に、特定の由来がある特定のジャンルをもって、日々目につくところで祀ることで、あなたは願いを引き寄せることができるようになるのです。
この扱いをしない人が本当に多い。護符を買ったらこの扱いをするだけで、願いの角度が全くちがってきます。
そのように扱う準備をしたら、あとは日々行動するのみなのです。
由来と意図を知って正しく使えば効果を出せる
以上のとおり、かなえやさんの護符は、由来を正しく知り、正しく扱うことで、効果をだすことができる護符なのです。
さて最後に、願いというもの面白い特徴を一つ。
願いというのは、努力しなければ〜、行動しなければ〜というのはあるんですが、それはそれとして実はすべての願いというのは何らかの「叶え」と対になったものである、ということを申し上げたいと思います。
願ったものというのは「そのとおりに叶う」こともありますが「別の形になる」こともあるのです。
しかしその「叶え」は「願わなければはじまらない」ものなのです。「叶え」は願うことでどんな形であれ、引き寄せられるのです。
願いを持つことで、あなたは「思っていたものと違うかもしれないけれど、あるべき自分にたどり着いた」という結末を得ます。だいたいそうなります。しかしそれはとても貴方を成長させ宝物を与えるポジティブなものです。
ですから、かなえやさんのようなしっかりとした護符を使って、ぜひ貴方の願いに、勢いを与え「叶え」にたどり着かせるようにしてみてください。
そして「かなえや」という名前はそういう言霊も込められているものだと思います。