今日は「占いが当たる」という現象が、本質的にはどういうことなのかについて説明したいと思います。
フレーミング効果
当たる占いを理解するには、まず占いの仕組みや使い方を知る必要があります。そのために、一つキーとなる考え方があります。
あなたは、心理学におけるフレーミング効果とよばれるる用語をご存知でしょうか?
これは、ノーベル経済学賞受賞者でプリンストン大学名誉教授のダニエル・カーネマン氏と、心理学者の故エイモス・トヴェルスキー氏が1981年に提唱した、心理学におけるある心理効果を表した概念です。
一般的な意味合いとしては「問題提示の仕方によって、物事の選考に様々な影響が及ぼされる現象」「強調する箇所によって与える印象を変え、意思決定に影響を及ぼす心理現象」というように考えられています。つまりは、印象的なイメージを相手に伝えることで、相手の判断や行動をコントロールすることですね。言葉通りに受け取ると、ちょっと催眠術めイメージを抱かれるかもしれません。
実は、このフレーミング効果というのは、人の日常における様々な場面で発揮されています。さらに、そもそもの「フレーミングをする」という行為自体が、ヒトの認知機能の素晴らしい能力の一つであり、人類はこれによって、様々に物事を発展させてきました。
ちょっと壮大になってしまいましたが、このフレーミング効果のうち「フレーミングをする」という行為が、占いを理解する上で非常に重要になってきます。
占いはまず分類する
そもそも占いというのは、そのままでは分類不能な世の中の事象を、まずいくつかに分類してみる、というところから始まったものです。西洋占星術であれば12星座、四柱推命であれば十干十二支。これらは天体の運行の記録──つまり暦をベースに発展しました。タロットはまたちょっと違っていますが、本質的には同じです。例えば大アルカナの二十二枚のカード等も、世界の様々な側面を表す意味を付与された、ある分類になっています。
そして占いは、これらを組み合わせて、まず「あなた」という人をある分類に分けます。それが合っているかどうかは一旦置いておいて、兎にも角にもまず分けるのです。これが、占いにおける「フレーミング」です。
次に、ではそのフレーミングをした結果とあなた自身の実感が合致しているかどうかを考えます。合っているかもしれません。間違っているかもしれません。
実はここで大事なのは、分類を決めたことであって、成否はあまり重要ではないのです。大事なのはフレーミングをすることで、あなたや占い師の中に、まず判断の基準ができることなんです。
続いて何が行われるのかというと、占い師さんとの対話によって、基準点との合致箇所やずれている箇所を確認する作業ですよね。「それはそのとおり」「これはちがう」等。そして、占い師さんはずれた箇所を踏まえて、診断者の設問に対しての的確な言葉を返します。これによって、あなたは答を得ることが出来る、という仕組みが占いのツールとしての有用さなのです。
占いは物事を相対化するためのツール
つまりは、フレーミングすることで問題を相対化して把握しやすくしているんです。そして占い師さんというのは、相対化後に追加の周辺事象から、あなたのためだけの解釈を行い、的確=当たる言葉を返すことで、物事の問題解決を行なっているのです。
良い占い師さんは、これを感覚的に理解しているので、的確で的中率の高い言葉を貴方に返してくれます。これが、占い×優れた占い師が、物事を的中させる事ができる理由なのです。