釣船神社は、宮城県石巻市にある岩を祀った神社です。
その歴史は文献にある範囲でいえばおよそ400年前にさかのぼります。名前はその名の通り、何かの力によって釣られているような石があるからですね。
そしてこの石は「落ちそうで落ちない」ことから、昨今では合格祈願や、会社の景気の下支え等でご利益があると有名になっています。
釣り石神社の石は一つではなく、名前の由来となった中空にある石と、下に座している石の2つがメインです。
上の釣石は男の神様で、下の巨石は女の神様ともいわれていることから、元々は夫婦円満や子孫繁栄のご利益あるとされていました。
また釣石ということから大漁祈願、石が亀の頭に似ていることから万年長寿を祈願するような意味合いもある神社です。
祭神について
祭神は天兒屋根命。
これは、日本の歴史に登場する中臣氏や藤原氏の祖神としても知られています。巨石とは別に祭神のご利益としては、知恵や学業についての縁起があると言われています。
このご利益は釣石としての「落ちないご利益」に通じているものになります。
伝統とよもやまはなし
この釣石神社の釣石は、写真を見れば分かる通り、ほんとうに今にも転げ落ちそうなほどせり出しています。
しかし、過去の大地震をいくつもくぐり抜け、東日本大震災でもころがりおちることがありませんでした。
そのため落ちないということについて強い信頼があるのです。
また境内から北上川のヨシ原が見渡せることから、毎年12月にはヨシ門松と葦の輪が飾られます。これをくぐり抜けることで、穢を祓い身を清めて、願いを叶えることができるとされます。
このヨシ門松と葦の輪は大きなものなので見ものです。
授与品
授与品は護符、木札、御守と一通り揃っています。
とくに学業系の御守はやはり充実していますね。
木札の大きいものは立派なものですから、ぜひご利益にあわせて選びましょう。
場所と景観
場所は最下部の住所のとおりですが──景観については一言申し上げておくことがあります。
この釣石神社というのは、石巻市北上の浜からほど近い場所にあります。そのため辺り一帯を津波に襲われています。
釣石神社自体は非常に強い岩盤がある丘の上に立っていたことから被害を免れましたが、神社の下方、社務所のあった場所などはいちど津波によって流されて再建されたものになります。
ですから、この神社は人々の悲しみとそれを乗り越えた強さのシンボルでもあるのです。そういう気持ちで持って参拝することで、きっとあなたにとってご利益があると思います。
〒986-0201 宮城県石巻市北上町十三浜菖蒲田305