護符の種類に、刀印護符というものがあると思います。
これは、道教を源流として、日本の陰陽道にある護符ですね。今回はこの刀印護符について、解説をしていきたいと思います。
刀印護符とは?
刀印護符とは、そういう護符があるのではなく、護符を扱う時の技法を示したものです。
護符というのは、通常、霊験あらたかな人物によって書かれたもので、その効果を発揮するためには手順が必要です。その手順の一つとして刀印を切る、という手法が定めだれているのです。
やり方はかんたんです。
陰陽道のある目的をもって描かれた護符を前において、その書を二本指で作った手刀でなぞるのです。
陰陽師の術に九字を切るという手法がありますが、アレと同じですね。指先を刀剣に見立てて、印をつくるのです。
刀印のウソとマコト
この手順に何の意味があるのか? 別の記事でもお伝えしているように、護符やその願いを強めるには、その物事に対しての意識をまわし自身の願いへの印象を強める、という考え方があります。
ですから、ある特定の意図をもった護符の書をなぞる、というのは想いを強くするための儀式に通じている、ということなんです。
なので、実はこの刀印を切るという技法は、別に陰陽道の護符じゃなくてもできちゃうんですよね。神道系でも道教系でも出来てしまう。うまくすれば西洋系のソロモンの護符でも同じことが出来ます。
みなさん、願いと護符の仕組みを理解していないので、ある特定の護符に対してのみ許されたものだと勘違いしているんです。もちろんそういう側面もあるんですけど、本質はそうではないんです。もっとも、陰陽道を語る人は、そういう事実を否定すると思いますけどね。
刀印護符を正しく機能させるには
私は何度も申し上げていますが、基本的に護符や術というのは、目的や願いの印象を強くすることで効果を発揮するものです。その護符のかかわる宗教、文化、背景、社会、そういうったものの影響を強く受けるものです(※下記、用法参照)。
それは、護符を扱うものの信頼度や知識、そして日々の生活に根ざし、かつパーソナルであるものほと強さを増します。
逆に、よくわからないことを真似事でやっても効果は薄いんです。
この、刀印護符についてもそうです。その背景にあるのは、念を強めるための「印象づけ」の儀式でしかないにもかかわらず、わけも分からず、その手法を薦め、またわけもわ変わらず、印を切る。これでは効果がありません。
逆に、目的や意図を理解した上で、自分なりのやりかたで行えば、陰陽道以外の護符でも、意味を持つのです。
例えば、人によってはただ刀剣を作り、符をチョンと触るだけで刀印護符の技法と同じ効果を発揮できるんですよね。大切なのは、あなたの願いと、その符の関連をどう強めるのか、ということです。
本当に効果のある願い方
個人的に思うのは、神棚に護符を飾って日々水を交換したほうが、刀印を上回る効果があると思うんですよね。
だって、多くのところで薦めている刀印って護符買って一回しかやらないでしょう?そんなもの願いが薄れるに決まってるじゃないですか? もちろん、毎日やれば別ですけど、それは、やっていてバカバカしくなりません?
それよりも私たちの生活に馴染んだ、神棚をおいて、日々水を変えるとか、あるいは通勤ルートの神社に毎回よって願うとかのほうが、普通の人にとっては、よっぽど効果がありますよ。受験勉強における絵馬というのが、技法として、どれだけ理にかなっているのか、ということです。
効果があるから、神棚や持ち歩くお守りや絵馬というものは発達したんです。厄除けとかもぜんぶそうです。
護符は正しく生活に取り込んで運用するべし
刀印護符自体の技法は否定しません。ですが、それが馴染みの無いものである場合、効果は薄いと断言します。
それよりも、飾る、持ち歩くによって、スタンダードに使える護符というのが、やはり最も効果を持っていると思います。