占い師さんって凄いんです〜当たる占い師さんとの思い出①

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筆者はその昔、占い関連のお仕事をしており、たくさんの占い師さんに会う機会がありました。その中には、幾人か印象的な占い師さんおり、ちょっと思い出語りついでに紹介したいと思います。

何も言っていないのに本当に見抜くY先生

京都に仕事で営業に行ったときの話です。ある事業で取引をしたいと考えていた占い師さんのところを訪問しました。その占い師さんは界隈でも有名な母と呼ばれる先生で、京都のある場所に個人事務所を構えている人っでした。そして、わたしとしては何としても仕事に取り付けたいと思っていました。

当時、若くまた事業としても会社としても未熟だった私たちの営業スタイルは手探りです。取引を持ちかける前に何をするのかというと──一般の客として先生に予約をとって訪問するんですね。所謂、アポ無し営業というやつです。

私と営業担当のもうひとりは先生にアポを取り付けた上で、人生相談にお伺いしました。約束の予約時間、やや緊張の面持ちで事務所に入ります。すると──一言二言挨拶をした後で、すぐに先生は言いました。

あれ、あなたたち、今日来たの占いじゃないでしょ?」

え、私そんな素振り一切みせているつもりはなかったんですけど? いちおうアポ電の時は「結婚や人生についての相談をしたい」と事前に伝えています。そして実際それを占ってもらうつもりでもいました。もちろん入った直後も、客のつもりでいます。友人との京都観光のついでに訪れたという体でした。しかし、先生は会って、席について幾つか話をするなりそう言ったのです。

服装? いや、もちろんジャケットを羽織っていましたが、フォーマルというよりカジュアルの範疇です。2人だから? いや親しい友だち設定で(部下だけど)、彼女のほうも事前に相談を予定していた。私は観念して訪ねました。

「すいません、そうです。私たちは占いの他に営業で来ました──何で分かったんですか?」

すると先生は顔をしかめて応えました。

「こういう商売しているとね、ちょっと話せばその人がどんな人かだいたい分かるのよ」

百戦錬磨の対面鑑定師の、凄まじいまでの洞察力を垣間見た気がしました。入店そうそうに白旗を上げることになった私と部下は、結局先に仕事の相談をすることになり、ムードは険悪。何が大変かというとですね「京女は一見さんお断り」なんです。これは仕事についてもそうで、初回の取引契約は結局結ぶことが出来ませんでした(後に何度も訪問して仕事をしていただけることになったのですが、それは別の話)。

さて、早々と仕事の話をおじゃんにされた私たちに先生は言います。

「で、占いは?するのしないの?」

「し、します!」

ここからもすごかった。先生はオーソドックスな四柱推命をベースした診断スタイルです。命式から四柱を出し、通変星を出し、十干十二支を出す。しかし、それはあくまでも分析の切り口を提供するためのツールです。占いというのは「傾向」を見ることができるが、もちろん、その傾向に当てはまらない人もいます。そして、私の四柱推命の結果は、私の本来の性質とは微妙にズレていることを私は既に知っていました。特に仕事については、やっていることとやりたいことが著しく乖離していた。私は、営業時にマネージャーとして先生の事務所を訪問しています。日々数字管理と進捗管理に追われる管理職です。四柱推命にも役人タイプという結果がよく出てきます。しかし先生はこう言いました。

「あなた、文章を書くの好きでしょ?」

「え?」

私の業種は文筆業ではありません。命式上も名刺上もそんな情報は一切ありません。私は役人肌の堅実な調整役のはずです。経歴も学校もライター業とは程遠いルートを辿っていました。しかし、一方で当時私は既にこっそりと匿名アカウントで、SNSで文章を垂れ流すことを趣味としていました。これは、今まで誰にも話したことがありません。私以外の誰もそんな話は知らないはずなんです。親や友達にも話したことがありません。

「向いて無くはないと思うけどね、そういう仕事をやると苦労もするわよ。ま、あなた次第でしょうけど」

何で分かったんですか? という問いかけは愚問です。というかびっくりしてでそんな問いかけはできませんでした。

ある種のベテラン対面鑑定師さんは、占いとは別にとんでもなく洞察力が鋭いのだと思います。そして、命式にも名刺にも現れてなかった、なにか文章的な事を好んでいると見受けられる「振る舞い」を私がしたんだと思います。私は、わりと理屈っぽいが感傷的になることもあり、それが言葉の端々に混ざります。そういうところから、この人はそういう文学的なものを好むだろう、という判斷をしたのかもしれません。

私はこの時、心の底からこの先生に仕事をお願いしたいと思うようになり、その後足繁く通うことになります。そして、今ここで駄文を書いているのは、もしかしたら先生の言葉の影響が少なからずあるのかもしれません。

何れにしましても、百戦錬磨の対面鑑定師というのは、ほんとうにその洞察力が侮れません。それは占い師であるということ以上に、人としての観察眼に優れているというか、そういう人というのを見かけたら、ぜひ相談してみるのが良いと思います。

生憎、先生を特定する情報はお知らせできませんが──今日は、そんな当ててくる占い師さんとの思い出の紹介でした。

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