さて、次に説明するのは、スプレッドと小アルカナについてです。
まずスプレッドについては、ここでは簡単に分類を示すのみで詳細は書籍他の媒体におまかせしたいと思います。
以下、簡単にご説明します。
スプレッドについて
タロットカードの書籍を読んでいると、スプレッドという言葉が出てくると思います。これは、複数カードを並べることで、そこから意味を拾うというものですね。
大アルカナだけでやる、シンプルなスプレッドの形式に、スリースプレッドというのがあります。これは、カードを3つ並べ、それぞれ過去・現在・未来とすることで、物事の行く末を導くものになります。これが出来るだけで、あなたはもう占い師も同然なのです。
せっかく大アルカナを覚えたのであれば、簡単なスリースプレッドを覚えてしまいましょう。やり方は簡単です。
カードをシャッフルし、目の前に三枚並べましょう。そして左から、過去、現在、未来として、設問に対する答えを1枚づつ確認するのです。これはあらゆる診断に使える便利なものです。
22枚を覚えたら、どんどん占って、色々と判別をしてみてください。
また、その他のスプレッドについては下記のようなものがあります。
- ワンオラクル:一問一答で答えを導き出すシンプルなスプレッド。
- スリーカード:過去現在未来やYes/No診断に適した複合的なスプレッド。
- ヘキサグラム:他人との関係や相性を見ることに適したスプレッド。
- ケルト十字:心の中の深くを覗き見る神秘的なスプレッド。
- ホロスコープ:年運等を占うことに適したスプレッド。
等々あります。もちろんこれ以外にもあります。しかし、小アルカナが無ければ、精度をあげて占えないものもあるのでご注意ください。
という訳で、最後の難関、小アルカナについての覚え方のご説明をします。
小アルカナ56枚を覚える
カードを覚えるにあたって、小アルカナは最大の難関ですね。
実は、これも前回お知らせしたストーリー暗記法と1枚引き暗記法で覚えてしまうことが出来ます。小アルカナは、大アルカナ以上にストーリーが付与されたものになっています。記載されているのは、4つのスート(ワンド・カップ・ソード・コイン)ごとの物語です。この物語をスート別に覚えることで、脳の定着をスムーズにすることができます。
小アルカナのストーリーを追う
小アルカナのストーリーは以下の表のようになっています。
例えば炎のスートは、①創造から始まり②財産を築き③ビジネスが広がり〜等の展開が読めると思います。大アルカナでやったときと同じように、こういったストーリーと絵柄を連動させ、スートごとの物語をあなたなりに考えることで、カードの意味があなたに定着するのです。
名称と数字とスートごとの物語が連動して理解できれば、すんなりと覚えることができます。
コツは、同じように自分なりに小分けにしたり、ノートに連続した物語を書き出してみることですね。その方法は大アルカナの覚え方と、タロットの独学のところにも記載しています。やり方を忘れた場合は、おさらいしてみてください。
ストーリー暗記法で大切なのは、自分なりの物語を書き出してみることです。それが出来ればかなりすんなりと覚えることが出来ます。
あなたなりの4つのスートの物語をぜひ作ってみてください。
小アルカナの1枚引きゲーム
ストーリーがざっくり頭に入ったら、最後は1枚引きです。
やり方は大アルカナと同じように1枚引きのゲーム形式のものです。正位置のみを覚えましょう。
大アルカナでやったように、シャッフルして1枚引きし、数字と名称を先に覚えます。名称はワンドの3やペンタクルの2といった読み方をします。大アルカナで数字の法則性は覚えたと思いますから、それ自体は難しくないでしょう。ですからここでは、図柄と意味の比重を少し増やして覚えてしまいましょう。1枚引きのカード意味あてゲームは、本を読まなくても言い当てられるようになるまでやりましょう。
目安としてはだいたい1日1スートですね。
そうして4日ほどでスートをすべて覚えたら、同じように逆位置を言い当て、最後に56枚全てをシャッフルして1枚引きで確認をしていくのです。
これも大アルカナの時と同じですね。しっかりと覚えてしまいましょう。
すべてを覚えてスタートラインに立つ
──さて、
カードの意味への理解は進んでいますか? 本を読まなくても意味が拾えるようになったら、その時点でタロットの履修は一旦の線引きがされます。もちろんそれからも読み込みは必要ですが、それはやればやるほど身につくものです。
リーディングは楽しんでいますか? 大アルカナを覚えてしまえば、占い自体は難しいことはなかったですよね?本を読みながら、やれば誰でももできるものです。ですから、いろいろなことを毎日占いましょう。
これであなたは占い師の入り口に立ったことになります。というか、扉は開かれて、あなたは既に占い師なのです。ここからは、さらなる高みへ向けて、ほんのちょっとのアイディアと好奇心で前に進むだけです。
とにかく、一通りの把握が済んだら、毎日なんどもなんども、いろいろなことを占ってみましょう。
そうすることで、あなたはタロット診断の力をより伸ばすことが出来ます。
覚えるための最後のひと押しのコツ
最後に、脳に意味を定着させるのに適した幾つかのメソッドを補足しておきます。※他の章で重複しているところがあるのはご容赦ください。
- カードの意味を自分で1枚づつ書き出す。:学生時代に、勉強は読むだけでなく書くことで定着する、ということを学んでいると思います。タロットカードも同じです。自分なりに、意味を書き出してみること、観察しメモをとること、これが脳にカードの意味を定着させてくれます。本当に占い師になりたいのであれば、これは絶対にやったほうがよいです。そうすることで、暗記した本の情報ではなく、あなたのカードの意味になるのです。
- 診断結果を携帯で写真にとって、メモを残す。:診断結果は毎回写真にとって、メモをのこしたほうがいいです。スマホをとりだして、写真をとってください。それをLINEのKeep等に添付し、意味を書く、その程度でよいのです。書き込むのは「診断内容」「結果」のみでOKです。後になって、それを見返すことで、新たな結果を導きだしたり、どういう診断をしていたのか、客観的に自分の占いを判断することができます。
- 1枚引きで結果をだす占いを何度もやる。:カードというのは日々ふれることが大事です。家では手元に於いて、YesNo診断でもワンオラクルでもなんでもいいので、手軽に占ってください。その意味を考えることが、やがてあなたの血肉になります。
- カードを1枚づつじっくりと観察する。:実はタロットが上達しない人は、これをやらないことが最も大きいと思っています。この作業は正直時間がかかるものですが、カードの図を見て考えることは脳にメッセージを定着させます。一朝一夕ではいきませんので、1枚引きの占いとあわせてやるのがよいかもしれません。また複数の書籍の意味を照らし合わせたり、wikiにあるような歴史背景が記載された原典の意味にふれるのも良いです。これを丁寧にやることで、あなたは真の占い師に近づく事になります。
以上が、タロット占いを勉強する際にやったほうがよいことです。
さて、次の回では占い師の実践についてお伝えしたいと思います。