ここまで、タロット占いの説明をしてきました。
もし、あなたが書かれていたことを行っていたならば、すでに占い師としてのスタートが始まっていることになります。あとはひたすら実践あるのみですね。できれば、友人を占うなどして訓練をつみかさねてほしいと思っています。
しかし──だからといって、占い師をやるには、まだまだ不安がありますよね。
それは、何故でしょうか?
シンプルな話ですよね。多くの書籍や占い本は、占いは教えてくれていますが、占い師のテクニックは教えてくれません。
ここでは、初心者脱却の仕上げとして、プロとしての活動につながる、占い師としてのテクニックや考え方をお伝えしたいと思います。
占い師とはなんですか?
さて、おさらいです。
一連の話の冒頭でもうしあげましたとおり、占い師は占いという思考ツールを使って、診断者の判断基準を与え、悩みを解決する仕事です。ですがもちろんそれがすべてではありません。
大前提として、占い師は人を幸せにするために存在していますが──占い師とはなに?と尋ねられたら、あなたなりにその答えを言葉にして伝えられるようにしてください。
自己紹介が出来ることは大事なことですからね。
占い師の心構え
他の占い師さんがどう思っているかわかりませんが、私が大切にしてほしいと思うものは、どんな占いを行った時であっても、とにかく占いをしたお相手には、かならず前向きな気持になって、何かのきっかけを掴んで帰っていただきたいということです。
これは友達を相手にした際についてもそうです。
占いのすべてはそのための物です。
ですから、ネガであってもポジにし、その人を承認し、心が強くなるような話を心がけましょう。
占いを他人にしてみましょう〜リラックスしてでも本気で
さて、占いというのは、自分のことばかり占っていても上達しません。
というか、あなたが目指しているのは、プロとなりお客さんからおカネをもらうことですね。必要なのは場数です。
以下にいくつか心構えを説明します。
構えずに診断しましょう
占いをする初心者はどうも構えてしまいます。ですが構えると診断ミスをします。ここはリラックスして相手に向き合いましょう。
緊張していたりすると、それが相手に伝わり、不信感を抱かれます。実は必要なのは、開き直りであり、大きな態度です(もちろん礼儀は忘れずに)。
かならず、診断者に対して受け身にならずに、大きな気持で望んでください。
間のとり方を意識してください。
占いに大切なのは、診断対象者との距離感、そして会話時の間です。相手を診断した際の返答は、かならず間を置いてください。リーディングし、言葉をまとめ、発するまでのプロセスを急がないでください。
母系の占い師さんや、電話占いの場合は、占ったそばから喋るスタイルもあります。ですが、基本的には、タロットというのは距離感があったほうが良い伝わり方をします。ミステリアスであることが、診断結果に説得力をもたらします。
あえて沈黙を利用してください。
間と同じ意味で、沈黙というのも役に立ちます。たとえば相手が診断結果に対して質問をしてきたときに、あえてすぐに答えずに、沈黙してカードに目を落としてください。ここで相手が思うのは、今の問いかけに対して占い師が「どんな返答をするのか」ということです。その沈黙は、あなたがタロットを「ちゃんと見て」「考えて話している」ということを表しています。
神秘性を損なわないでください。
スイッチを切り替える
コミュニケーションにおける切り替えも大事です。
占い師さんは、診断前は診断後は気さくでも良いのです。ですが、診断時は切り替えましょう。さきほどまで和気あいあいとはなしていたあなたが、急に真面目になると、相手はあなたの話に聞き入ります。
それは知らない人でも友人でも同じです。普段と違うあなたを見た友人は、あなたをちゃんと本物だと認識してくれます。「なんか占い師っぽい」と言われたら「占い師だから」と言い返せるようにしてください。
・神秘的な自分であることを楽しんでください。
占いは、ムードが第一です。占いをしているときの神秘的な自分を容認してください。そして水を差す相手を遠ざけるようにしてください。
お客さんには、必ず「占いを疑ってかかる人」がいます。その人達はリピーターになりませんから、戦わずに笑顔で追い払ってください。
疑ってかかるひとはあなたから神秘性を剥がそうと必死になります。それに付き合う必要はありません。
神秘性は大事です。
あなたが神秘的になればなるほど、占いもなぜか良い精度を発揮します。
儀式のために自分なりの手順やルールをもつ、カードの扱いに慣れる
雑にカードを扱わないようにしてください。
これは、しばしば新人の占い師さんが怠りがちなことです。たどたどしいカード捌きより、鮮やかなカード捌きのほうが魅力的ですよね?
トランプだって素早いシャッフルができると格好がよいですよね。それと同じように、カードの扱い方については、日々練習してスマートにできるようになりましょう。
うやうやしく、しかしスマートに、素早く、手早く効率よく、わざとらしいくらいが良いのです。
ルーティンを作る
また、かならず同じ手順を踏む等の、儀式的な側面も大事です。
ただ、本と同じように占うのではなく、占い時の、あなたのルーティン仕草をあみだしてください。
ルーティンはあなた自身の集中力を増して、診断地の発想力を増してくれます。また見る側も、あなたが儀式にのっとってやっていることを理解し、信用を得ることができます。そういうこまやかなことを、ちゃんとやることで、占いには価値と意味がうまれるのです。
問いかけと観察について
続いて、占いにおける、相手への問いかけと観察について少し説明したいと思います。実は、占いでは、占いのスキル以上に、問いかけのスキルが重要であったりします。
何を占って欲しいですか?
占って欲しい内容はちゃんと聞きましょう。稀に、何を占って欲しいか当てろというお客がいますが、そういうお客さんは冷やかしですのでNOといっても構いません。流石に「何を占って欲しいか聞かない人」を占うことは出来ません。
「占い師なら私の考えを当てて」⇒「私はそういう占い師ではないので、冷やかしならお帰りいただけますか?」そういうお客はリピーターになりませんので、やんわりと追い払いましょう。
もし可能なら診断者や彼の生年月日と名前を聞いておきましょう。タロットでは生年月日は使いませんが、それは相手と診断者の関係を予想させます。
西暦からパッと年齢を出し、服装や物腰からライフステージを予想しましょう。それに占いを組み合わせることで、精度を高めるのです。
それは占いではなく人間観察の範疇ですが──例えば、「母系」の占い師は、鋭い観察力で、これをやっています。タロット占い師だってやってもよいのです。
大切なのは観察と問いかけです。
生年月日以外にも、相手の物腰や服装、メイクや喋り方からも様々な情報が見て取れます。
これらの観察と問いかけは、占い結果と組み合わせることで、アウトプットに幅をつけてくれますので、普通に雑談としてお話を聞いてください。
占いは3つに集約する
実は占いというのは、大きく3つのことしか占いません。
それはすなわち、「自分のこと」「誰かとの関係」「今より未来のこと」占い結果は、この3つを必ず答えとして伝えるようにしてください。それが、お客さんを満足させる最低限の要件です。
占い師の伝達テクニック
以下では、占い師さんが心がけたほうがいい、情報伝達のテクニックについてお伝えします。ただ答えを伝えるだけでなく、いろいろと意識することで、お客さんの満足を得る事ができます。
吉凶をはっきりいうことを躊躇しない
占いをやっていると、どうしても良いor悪いを伝えなければいけない瞬間というのがあります。タロットでも塔あたりが出てしまうと、どうしても悪いお話をしなければいけません。ですが、そこで吉凶を伝えることをためらわないでください。
大切なのは、状況の良い悪いではなく、相手を救うことです。ですから、悪い結果であればそれを改善するアドバイスをしっかりとすることができればよいのです。そうすることが占い師の役割なのです。
お客を占い的に分類することを躊躇しない
これはタロットとちょっと違うかも知れませんが、たとえば西洋占星術の場合、相手が何座のどんな性格である〜と分類する必要が出てくるケースがあります。
この場合も、躊躇しないでください。
実は占いとは、診断者の考えが、診断結果とずれていても構わないのです。占いというのは、あるべき形とのズレを確認することで、問題解決の方法を導くツールでもあります。
たとえば、結果が黒だったとして、相手が白だと自分のことを思っていたなら、ではなぜ黒を白と思っていたのかを紐解くことが、問題解決につながります。
そのような考え方で、相手の認識と結果がずれることを恐れず、むしろ積極的にそのずれを利用して、相手の答えを探してあげるのです。
一般論は絶対にダメ
占いをしているとよくアドバイスの際に、一般論をつたえることがありますが、これは絶対にダメです。例えば不倫をしているお客さんがいたとして「不倫はダメ」と頭ごなしに伝えるのはNGです。
相手は、そんなことはわかっていて、それでも苦しいから占いをしに来ているのです。相手は一般論は聞き飽きています。かならず診断結果に対して斜め上の思考を提示してください。
例えば「普通に考えたらダメなんでしょうけど〜あなたの場合はあえて突き進みなさい」等、相手がポジティブになれる助言をしなければなりません。
※不倫や略奪愛に関しては、センシティブなお話ですので、事前にいくつかアドバイスの形をもっていてもいいかもしれません。
どんな願いも承認する
人は、自身が承認されないから他人の言葉を求めています。結果の良い悪いにかかわらず、相手をかならず承認し、尊重するようにしてください。自身の有り様を認められたお客さんは、かならずあなたのリピーターになってくれます。
希望を確認してください
何度もいいますが、占いは相手を幸せにするために使います。ですから、相手の希望をしっかりと聞いた上で「あなたは◯◯したいんですよね? では◯◯しましょう」アドバイスをするように心がけてください。
プロから学ぶ
最後に一つ、書物や実践以外で必要なものをお伝えします。
今まで申し上げたものは、わたしの知るテクニックです。ですが、これは占い師のスタイルによっては、かならずしもそのとおりである必要はありません。
もしかしたらあなたには別のスタイルが合っているかも知れないのです。
ですから、申し上げておきたいのは、プロの占い師さんを参考にすることをおすすめします。
占い師に会いましょう/電話占いを受けてみましょう
そこで参考になるのが対面鑑定や電話占いです。
電話占いは各社あります。せっかくですから、人気占い師さんが、どんな占いをしているのかをしっかりと確認しましょう。また、占い師さんに実際診断を受けてみて、これはいいな、これはいやだな、というものをどんどん真似しましょう。そういう経験が役に立ちます。
例えばメジャーな下記などを試してみましょう。
また、コロナが開けたら実際の占い師さんにも会ってみましょう。電話占いだとどうしても手元が見えませんからね、できれば、おなじタロット占いの先生がどんなことをしているか見てみましょう。
マーケット・リサーチをしよう
さらに、占い師として営業するなら市場動向も知る必要があります。
ココナラというサービスがあります。それに登録することで、どんな占い師さんたちがどんなPRをしているのか良く分かります。あなたのスタイルの参考になりそうな人がいたら、メモって真似するようにしましょう。
ココナラは登録が無料です。サービス内を見ることで、フリーの占い師さんがどんな活動をしているのか知ることが出来ます。
今後の活動に役立つと思いますよ。※リンクは以下のとおり。
実践あるのみ
ここまでの事柄を実践すれば、あなたは間違いなく占い師になれます。
それはまだスタートに立ったばかりかも知れません。大事なのはスキル以上に心持ちです。
心の底から相手を救おうとすることで、あなたは、世にとって必要な存在になることができるのです。
ここからは実践あるのみです。そしてさらなる高みを目指して、どうか素晴らしいスピリチュアルライフを楽しんでみてください。